メーカーのマーケティング職への転職は難しい?仕事内容・年収・未経験からのなり方を解説

メーカーのマーケティング職への転職は難しい?仕事内容・年収・未経験からのなり方を解説

2026/7/30 更新

メーカーのマーケティング職への転職難易度は、メーカーでの勤務経験と、マーケティングの実務経験の有無によって変わります。特に中途採用では、応募する領域に近い実務経験があるかどうかが重視されます。

メーカー業界が未経験でも、他業界で商品企画、デジタルマーケティング、市場調査などを担当してきた人は、経験を活かせる求人があります。一方、マーケティング職そのものが未経験の場合は、営業、技術、商品開発、販売、営業企画などで培った経験を、応募先で任される仕事にどう活かせるかを具体的に示す必要があります。

また、メーカーのマーケティング職は、企業や配属部署によって仕事内容が大きく異なります。商品企画を担う求人もあれば、広告運用、営業支援、市場調査などが中心の求人もあるため、職種名だけで応募先を選ぶのは危険です。

この記事でわかること

メーカーのマーケティング職への転職が難しい理由

メーカーでマーケティング部門が担当する主な仕事

業界未経験・職種未経験から目指す方法

メーカーのマーケティング職への転職は難しい?

中途採用では、企画力や情報収集力といった抽象的な能力だけでなく、どのような課題に対して施策を実行し、どのような成果を出したかが確認されます。

そのため、マーケティングの実務経験がある人と、職種自体が未経験の人では、転職の進め方が異なります。

現在の経験

転職時に重視したいこと

マーケティング経験あり・メーカー未経験

担当した施策と成果を示し、応募先の製品・顧客・販売までの流れを理解する

メーカー経験あり・マーケティング未経験

営業、技術、開発、営業企画などの経験が、応募先のどの仕事で活かせるかを示す

メーカー・マーケティングともに未経験

直接転職だけに絞らず、関連職種、社内異動、現職での担当拡大も検討する

中途採用では担当領域の実務経験を求められやすい

マーケティングは、商品企画、広告運用、EC、CRM、市場調査、販売促進など、担当領域が幅広い職種です。

例えば、Web広告の運用経験があっても、商品企画やブランド戦略の経験者を求める求人では、そのまま即戦力と判断されるとは限りません。反対に、異業界であっても、応募先と近い業務を担当してきた人は評価される可能性があります。

求人を見るときは、「マーケティング経験があるか」だけでなく、自分が担当してきた業務と、入社後に任される業務がどこまで重なるかを確認しましょう。

メーカーでは製品・顧客・社内体制への理解も必要になる

メーカーのマーケティング職は、顧客への施策だけで完結する仕事ではありません。商品開発、営業、生産、在庫、物流などの条件を踏まえて、施策を進める必要があります。

BtoBメーカーでは、製品の技術的な特徴や顧客企業の導入判断も理解しなければなりません。BtoCメーカーでは、消費者の購買行動に加え、店舗、EC、代理店などの販売経路も把握する必要があります。

業界未経験者は、応募先の製品、顧客、競合、販売方法を事前に調べ、これまでの経験をどの仕事で活かせるか説明できる状態にしておきましょう。

マーケティング職そのものが未経験の場合

職種未経験者は、経験者向け求人へ手当たり次第に応募するのではなく、これまでの仕事を活かせる領域から検討する必要があります。

例えば、法人営業で顧客の課題を集め、製品改善や営業施策へ反映した経験があれば、製品マーケティングや営業企画で評価される可能性があります。販売職で顧客の声を集め、売場や販促を改善した経験は、販売促進や商品企画に活かせる場合があります。

ただし、営業や販売の経験があるだけで、マーケティング経験者として扱われるわけではありません。顧客の情報をどのように集め、どのような提案や改善へ反映し、どのような結果につながったかまで示すことが重要です。

メーカーとマーケティング職の両方が未経験の場合

メーカーとマーケティング職の両方が未経験の場合は、直接転職できる求人が限られます。

現職で機会を作れる場合は、顧客分析、販売促進、Web施策、営業企画などに関わり、実務経験を増やす方法があります。現職では難しい場合は、次のような選択肢も検討しましょう。

  • マーケティングアシスタントや営業企画などの関連職種を目指す
  • EC、広告運用、販売促進など、これまでの経験を活かしやすい領域を選ぶ
  • メーカー営業などで製品・顧客への理解を深め、社内異動を目指す
  • 広告会社、調査会社、販促支援会社などで関連する実績を作る

「未経験可」と書かれている求人でも、業界未経験を指すのか、職種未経験まで含むのかは求人によって異なります。入社後に担当する仕事、教育体制、求められる前職経験まで確認する必要があります。

メーカーのマーケティング職とは

メーカーのマーケティング職は、自社の製品やブランドを成長させるために、市場や顧客を調べ、商品、価格、販売方法、販売促進などの方針を考え、実行後の成果を検証する仕事です。

ただし、すべての会社で同じ業務を担当するわけではありません。メーカーでマーケティング部門が担当する業務には、次のようなものがあります。

業務領域

担当する仕事の例

商品企画・プロダクトマーケティング

市場・顧客の分析、製品コンセプト、価格、販売戦略の検討

ブランドマーケティング

ブランドの方針策定、認知や選好を高める施策、予算管理

デジタルマーケティング・EC・CRM

Web集客、広告運用、EC販売、顧客データを使った継続購入施策

マーケティングリサーチ

市場規模、顧客ニーズ、競合、技術動向などの調査・分析

販売促進・営業企画

店頭施策、展示会、営業資料、販売計画、代理店支援

この表は、職種を厳密に分類したものではありません。企業によっては、商品企画、営業企画、広報、宣伝、ECなどを別部署に分けています。反対に、少人数の組織では一人が複数の業務を兼務する場合もあります。

応募前には、職種名だけで判断せず、担当する製品・顧客・施策・評価指標まで確認しましょう。

BtoCメーカーとBtoBメーカーの違い

BtoCメーカーでは、一般消費者の購買行動や生活上のニーズを捉え、商品企画、ブランドづくり、広告、店頭販促、ECなどを通じて購入や継続利用を促します。広告、パッケージ、店舗、Webサイトなど、顧客が商品を知って購入するまでの各場面で、伝える内容を統一することも重要です。

BtoBメーカーでは、顧客企業の事業課題、製品の用途、意思決定者、技術動向などを把握し、製品の位置付けや市場開拓の方針を考えます。展示会、技術セミナー、ホワイトペーパー、営業資料、導入事例などを活用し、営業や技術部門と連携して商談を支援する仕事もあります。

ただし、BtoBマーケティングは営業支援だけではありません。市場の選定、製品戦略、価格、販売経路、海外展開など、事業上の判断に関わる求人もあります。

広告代理店・コンサルティングファームとの違い

メーカーのマーケティング職は、自社の製品やブランドについて、企画の実行後まで成果を追う立場です。売上や顧客獲得だけでなく、利益、在庫、販売計画などを踏まえて施策を調整することもあります。

広告代理店は、広告や販売促進の企画・実行を通じて顧客企業を支援します。コンサルティングファームは、戦略立案や市場分析、業務改革などを通じて、顧客企業の課題解決を支援します。

会社や案件によって業務が重なる場合もありますが、最終的に成果責任を負う対象が異なります。

  • 自社事業の意思決定と、実行後の成果まで担いたい人:メーカー
  • 顧客企業の広告・販売促進の企画と実行を支援したい人:広告代理店
  • 複数の企業に対して戦略や課題解決を支援したい人:コンサルティングファーム

メーカーのマーケティング職の年収

メーカーのマーケティング職だけを対象に、担当業務や役職までそろえて比較できる公的統計は限られています。そこで参考になるのが、実際の求人票に記載された想定年収です。

Give Careerの掲載求人を集計したところ、商品企画・サービス企画の求人が提示する年収は550万〜900万円でした(中央値ベース・2026年7月30日時点)。メーカー領域の求人が中心の集計であり、求人票に記載された年収レンジのため、実際の入社時年収を示すものではありません(参考:Give Career)。

実際の年収は、担当領域、経験年数、役職、企業規模、事業やブランドの規模によって変わります。施策の実行だけを担当する求人と、事業戦略、商品企画、予算管理、部門マネジメントまで担う求人では、求められる経験と給与水準が異なります。

前職の経験を活かせる可能性がある業務

マーケティング職が未経験でも、前職で培った知識や経験を活かせる場合があります。まずは、自分が担当してきた仕事を分け、応募先で求められる業務と重なる部分を確認しましょう。

前職の経験

活かせる可能性がある業務

法人営業・技術営業

顧客課題の分析、製品マーケティング、営業企画、販売支援

商品開発・設計・研究開発

商品企画、技術マーケティング、市場・用途の調査

販売・店舗運営

消費者ニーズの把握、販売促進、店舗施策、商品企画

Web・広告・EC

デジタルマーケティング、EC運営、CRM、販売促進

営業企画・データ分析

市場分析、販売計画、需要予測、施策の効果検証

この表は、転職のしやすさを示すものではありません。求人によっては、表に記載した前職経験に加えて、商品企画やマーケティングの実務経験を求められます。

例えば、販売職で顧客の声を把握していても、それだけで商品企画の経験者とは判断されません。顧客の声をどのように集め、売場、商品、販売施策の改善へ反映したかまで説明する必要があります。

メーカーのマーケティング職の選考対策

選考では、マーケティングに関する知識を並べるだけでなく、過去の仕事でどのような課題に取り組み、どこまで担当し、どのような成果を出したかを伝える必要があります。

職務経歴書では成果までの過程を書く

職務経歴書では、次の順番で書くと、担当範囲と成果が伝わりやすくなります。

  1. 課題・目標
  2. 自分が担当した役割
  3. 実施した調査・企画・施策
  4. 関係部門との連携
  5. 成果と自分の貢献範囲

売上、問い合わせ、顧客獲得数、広告費用対効果などの数字を記載する場合は、対象期間、比較基準、自分が担当した範囲も示しましょう。チーム全体の成果を、自分だけの成果として書かないことも重要です。

面接では応募先の事業への理解も示す

面接では、過去の実績だけでなく、応募先の製品、顧客、競合、販売方法をどこまで理解しているかも確認されます。

「マーケティングをしたい」という希望だけでなく、応募先のどの製品・市場に関心があり、自分の経験をどの課題で活かせると考えているのかを説明しましょう。

企業や職位によっては、企画課題やプレゼンテーションが選考に含まれます。課題の有無、面接回数、評価される経験など、選考フローも事前に確かめておく必要があります。

資格よりも、実務で知識を使った経験を示す

マーケティング職では、資格だけで採用が決まるわけではありません。資格や学習は、基礎知識や学習意欲を補う材料にはなりますが、中途採用では実務経験と成果が重視されます。

現職で機会を作れる場合は、顧客分析、販売促進、企画、Web施策などに関わり、学んだ知識を実務で使った経験を増やしましょう。現職で機会がない場合は、社内異動や関連職種への転職も比較する必要があります。

メーカーのマーケティング求人で確認するポイント

入社後のギャップを防ぐには、「マーケティング」という職種名や想定年収だけでなく、実際の担当業務、評価方法、部門間の役割分担まで確かめる必要があります。

確認項目

求人票・面接で確かめること

担当業務

市場調査、商品企画、広告運用、販売促進などのうち、何を担当するか

評価指標・裁量

売上、利益、商談数、認知度など、何で評価され、どこまで自分で決められるか

部門間の分担

営業、開発、生産、SCM、広報などと、どのように役割を分けるか

採用背景

新設か欠員補充か、入社後に最初に解決してほしい課題は何か

転勤・異動

転勤の範囲、過去の異動例、将来想定されるキャリアパス

職種名ではなく、実際の担当業務を確かめる

「マーケティング職」と書かれていても、広告運用が中心の求人、営業資料の作成と展示会運営が中心の求人、商品戦略まで担う求人では、得られる経験が異なります。

BtoB・BtoCの別、担当する製品・顧客、戦略立案と施策実行の割合、国内・海外の担当範囲、制作物を内製するか外注するかまで確認しましょう。

採用背景と配属部門の課題を確かめる

採用背景が新しいマーケティング組織の立ち上げなのか、退職者の補充なのかによって、入社後に求められる役割は変わります。

面接では、次のような点を聞くと、入社後の仕事を具体的に想像しやすくなります。

  • 今回の採用で解決したい課題
  • 入社後、最初に任される仕事
  • 上司とチームの構成
  • 施策を決定・承認する人
  • 入社後半年から1年で期待される成果

転勤・異動とキャリアパスを確かめる

企業によっては、マーケティング職も転勤や他部門への異動の対象です。商品企画やブランド担当者が、営業部門、海外事業部門、事業企画などへ異動する場合もあります。

マーケティングの専門性を深めたいのか、営業や海外事業も経験して事業全体を担いたいのかによって、合う人事制度は異なります。過去の異動例、転勤の範囲、昇格後の役割まで確認しましょう。

求人票や面接だけでは、採用背景、配属部門の課題、実際の裁量、過去の異動例まで分からない場合があります。

ギブクリエーションでは、これまでの経験がメーカーのどのマーケティング業務で評価されるかを確認し、担当業務や選考で問われる内容を踏まえて求人選びを支援しています。転職を決める前でも、現職で経験を増やす方法や社内異動を含めて比較できます。

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まとめ

メーカーのマーケティング職への転職難易度は、メーカーでの勤務経験と、応募先に近いマーケティング業務を担当した経験の有無によって変わります。

メーカー業界が未経験でも、商品企画、デジタルマーケティング、市場調査などの実務経験があれば、経験を活かせる求人があります。一方、職種未経験者は、営業、技術、商品開発、販売、営業企画などの経験を、応募先で任される仕事にどう活かせるか示す必要があります。

求人を選ぶ際は、年収や職種名だけでなく、担当する製品・顧客、具体的な業務、評価指標、裁量、部門間の分担、採用背景、異動・転勤の可能性まで確認しましょう。

よくある質問

メーカー業界が未経験でも転職できますか?

他業界でマーケティングの実務経験があれば、転職できる可能性があります。応募先の製品、顧客、競合、販売方法を調べ、自分が担当してきた施策や成果をどの仕事で活かせるか示しましょう。

メーカー営業からマーケティング職を目指せますか?

メーカー営業で培った顧客理解、製品知識、競合情報、社内調整の経験は、製品マーケティングや営業企画などで活かせる可能性があります。

ただし、営業経験があるだけで採用されるわけではありません。顧客の課題をどのように把握し、製品、提案方法、販売施策の改善へ反映したかを具体的に示す必要があります。

マーケティング職への転職に資格は必要ですか?

資格を必須としない求人はありますが、資格の有無だけで採用は決まりません。中途採用では、応募先の業務に活かせる経験、実績、担当範囲が重視されます。資格は、知識や学習意欲を補う材料として活用しましょう。

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