セキュリティエンジニアの年収は高い?相場・1000万円の条件・メーカー転職で見るべきポイント

セキュリティエンジニアの年収は高い?相場・1000万円の条件・メーカー転職で見るべきポイント

2026/7/31 更新

セキュリティエンジニアの年収は、職種名だけでは判断できません。監視や定型運用を担う人と、セキュリティ設計や対策の企画・推進を担う人では、任される範囲も企業からの評価も異なるためです。

求人を比較するときは、提示年収だけでなく、社内システム・製品・工場のどれを守る仕事なのか、問題の発見から対策の実行までどこを担うのかを確認する必要があります。メーカーでは、社内システムに加えて、製品や工場を対象とするセキュリティ求人もあり、求められる経験も異なります。

この記事では、セキュリティエンジニアの年収相場と年収1,000万円を目指す条件、メーカーで評価されるセキュリティ経験、残留・異動・転職を判断するポイントを解説します。

この記事でわかること

セキュリティエンジニアの年収相場と年収1,000万円を目指す条件

メーカーで評価される3つのセキュリティ経験

残留・異動・転職を判断するときのポイント

セキュリティエンジニアの年収相場

セキュリティエンジニアの年収は、担当業務や求められるスキルレベルによって異なります。セキュリティエンジニアだけを対象にした公的な年収統計はないため、厚生労働省の調査に掲載されたITSS(ITスキル標準)別の賃金データを参考にします。

ITSSレベル

スキルの目安

年収の目安*

レベル1~2

基礎知識を持ち、指導を受けながら業務を担当

420~620万円

レベル3

一人で実務を遂行できる

450~700万円

レベル4

設計・構築やリーダー業務を担う

500~780万円

レベル5以上

高度専門職・マネジメントを担う

600~950万円

年収には420万~950万円と幅があり、一概に高い、低いとは判断できません。年収1,000万円を目指すには、高度な専門性を身につけ、設計やインシデント対応、マネジメントなどを担うことが重要です。

出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業報告書(令和5年度厚生労働省委託事業)」

セキュリティエンジニアが年収1000万円を狙う条件

年収1,000万円は、すべてのセキュリティエンジニアが目指せる水準ではありません。一方で、高度な専門性を持ち、企画や管理まで担う人材は、高年収を目指しやすくなります。

高度な専門性を持つ

年収1,000万円を目指すには、企業が簡単に代替できない専門性が重要です。脆弱性診断、クラウドセキュリティ、インシデント対応、製品セキュリティ(PSIRT)などで、課題を発見し改善につなげた実績が評価されます。

職務経歴書では、担当業務を並べるだけでは十分ではありません。対象システム、自分の役割、どのような判断を行い、どのような改善につなげたのかまで具体的に示すことが重要です。

企画や管理を主導する

年収1,000万円を目指すには、技術だけでなく、企画立案やプロジェクト・組織を主導する役割も重要です。予算や人員、外部委託先を管理し、経営層へリスクを説明しながら、事業全体を見据えてセキュリティ対策を進めます。

技術的に最適な対策が、そのまま事業にとって最適とは限りません。費用や開発・運用への影響を踏まえ、優先順位を判断できる人ほど、高い評価を受けやすくなります。

メーカーの事業や開発を理解して提案する

メーカーでは、情報漏えいだけでなく、製品の出荷停止や工場の生産停止を防ぐことも重要です。そのため、開発日程や品質保証、設備更新など事業全体を理解したうえで提案できる人は、IT部門だけで完結せず、開発・品質保証・生産部門と連携して対策を進める役割を担えます。

海外拠点との連携では英語力が求められることもありますが、英語だけで年収が上がるわけではありません。専門性やマネジメント経験と組み合わせることで、担当できる業務の幅が広がります。

外資系や独立は収入以外の条件も比べる

外資系企業の上位職や独立後の案件では、日本企業の会社員より高い報酬を得られる場合があります。一方、外資系企業の上位職では成果責任が大きく、独立後は契約更新や案件獲得を自分で進める必要があります。

外資系や独立を検討する際は、年収だけでなく賞与、退職金、福利厚生、待機対応なども含めて比較しましょう。

メーカーで評価されるセキュリティ経験

メーカーのセキュリティ業務は、守る対象によって、社内システム、製品、工場・OTの三つに大きく分けられます。セキュリティの専任経験がなくても、これまで扱ってきたシステムや製品、設備が応募先の対象に近ければ、経験を生かせる場合があります。

これまでの経験

生かしやすいセキュリティ分野

ネットワーク・サーバー、社内SE

社内セキュリティ

組み込み・ソフトウェア開発、製品設計、品質保証

製品セキュリティ

生産技術、設備保全、制御システム、工場IT

工場・OTセキュリティ

転職では「セキュリティ業務は未経験」と伝えるだけでなく、これまで扱ってきた対象や担ってきた役割が、応募先のセキュリティ業務にどうつながるかを示すことが重要です。

社内セキュリティ

社内セキュリティでは、端末、クラウド、アカウント、社内ネットワークなどを守ります。社内SEやインフラ担当者は、既存システムの構成や利用部門の業務を理解している点が強みです。

例えば、アカウントを発行するだけでなく、入社・異動・退職に合わせて権限を見直す仕組みを整えた経験は、アクセス管理やセキュリティ運用を改善した実績としてアピールできます。

製品セキュリティ

製品セキュリティでは、企画・設計段階から脆弱性を作り込まないための対策を行い、出荷後に脆弱性が判明した場合にも対応します。組み込み・ソフトウェア開発、製品設計、品質保証などの経験を生かしやすい分野です。

脆弱性への対応には、開発部門だけでなく、品質保証、法務、営業、取引先などとの連携も必要です。脆弱性の受付から影響範囲の確認、修正方針の決定、顧客への案内まで進めた経験は、製品セキュリティで評価されやすくなります。

出典:IPA「製品開発者向けガイド」

工場・OTセキュリティ

工場・OTセキュリティでは、操業と安全を維持しながら、生産設備や制御システムを守ることが重要です。長期間使用する設備をすぐに更新できない、保守会社が外部から接続する、稼働中は停止や設定変更が難しいといった制約があります。

そのため、技術的に理想的な対策をそのまま導入するのではなく、設備の安全性や生産工程への影響を踏まえて、実行可能な対策を設計する必要があります。生産技術、設備保全、制御システム、工場ITなどの経験は、現場に適したセキュリティ対策を進めるうえで強みになります。

出典:経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」

求人票で確認するポイント

求人票では、職種名や年収上限だけでなく、入社後に担う対象・業務範囲・責任を確認することが重要です。「セキュリティ運用」「脆弱性管理」といった表現だけでは、定型作業が中心なのか、原因調査や改善まで任されるのかは判断できません。

求人票で確認する項目

確認する内容

守る対象

社内システム、製品、工場・OTのどれを担当するか

担当範囲

監視や報告だけか、原因調査・対策・再発防止まで担うか

判断権限

改修の優先順位や実施期限の決定にどこまで関われるか

関係部署との連携

IT部門だけでなく、開発・品質保証・生産部門などとも調整するか

緊急対応

夜間待機、休日対応、現地・出社対応がどの程度あるか

入社後の役割

実務担当、リーダー、企画・管理のどこを期待されているか

求人票だけで担当範囲がわからない場合は、面接で実際の業務の流れを確認します。例えばインシデント対応であれば、一次連絡やエスカレーションが中心なのか、原因調査、復旧、再発防止まで主導するのかによって、求められる経験と責任は大きく異なります。

また、夜間待機の回数、緊急連絡の基準、休日対応後の代休、手当の有無も確認が必要です。提示年収が高くても、夜間や休日の対応負担を含んだ条件である場合があります。

応募前には、自分が扱ってきた対象や担ってきた役割と、求人で求められる業務範囲を照らし合わせましょう。求人票だけで判断できない項目は、面接や転職エージェントを通じて確認することが重要です。

現職残留・社内異動・転職の判断基準

判断の基準は、次の半年から1年で、より高いレベルのセキュリティ経験を積めるかどうかです。

選択肢

判断基準

現職に残る

認証設定、規程整備、監査、脆弱性対応など、担当範囲が広がる時期や条件が決まっている

社内異動を目指す

情報システム、品質保証、製品開発、工場ITなど、これまでの経験を生かせる異動先がある

転職する

定型運用から改善・設計へ進む機会がなく、セキュリティ業務を担う部署やポジションもない

口頭で業務を広げると言われていても、時期や条件が決まっていない場合は、転職活動と並行して求人を比較しましょう。転職先では、提示年収だけでなく、守る対象や担当範囲、入社後にどこまで責任を持つのかまで確認することが重要です。

まとめ

セキュリティエンジニアの年収は、平均年収だけでは判断できません。監視・運用、脆弱性診断、製品セキュリティ、工場セキュリティなど、担当する業務や責任範囲によって大きく変わります。求人票では、何を守る仕事なのか、問題の発見から改善までどこまで担当するのかを確認することが重要です。

年収1,000万円を目指すには、高度な専門性に加え、企画立案やプロジェクトの推進、部門横断で調整できる経験が求められます。メーカーでは、社内システムだけでなく、製品や工場のセキュリティに携わった経験も評価されます。

また、キャリアアップの方法は転職だけではありません。現職で経験を積める環境がある場合や、社内異動でセキュリティ業務に携われる場合は、その選択肢も含めて比較することが大切です。

メーカーへの転職を検討しているものの、自分の経験がどの求人に合うかわからない場合は、ギブクリエーションへご相談ください。求人票だけではわからない担当範囲や求められる役割も踏まえ、一人ひとりの経験に合った求人をご提案します。

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よくある質問

セキュリティエンジニアの年収は低いですか?

一概に低いとはいえません。厚生労働省の調査では、「設計・構築」区分の年収帯は、ITSSレベル1〜2で420万〜620万円、レベル5以上で600万〜950万円となっており、スキルレベルによって差があります。

セキュリティエンジニアで年収2000万円は目指せますか?

目指せますが、一般的な会社員求人では多くありません。外資系企業の上位職、セキュリティコンサルタント、独立後の大型案件などが中心で、高い専門性や成果責任が求められます。

セキュリティエンジニアの仕事は将来なくなりますか?

定型的な監視や報告は自動化が進む可能性があります。一方で、原因調査や対策の立案、開発部門や経営層との調整など、人による判断や意思決定が求められる業務は今後も重要だと考えられます。

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