セキュリティエンジニアの年収は高い?相場・1000万円の条件・メーカー転職で見るべきポイント

セキュリティエンジニアの年収は高い?相場・1000万円の条件・メーカー転職で見るべきポイント

2026/7/17 更新

セキュリティエンジニアの年収相場を読む際の注意点や、年収1000万円を狙う条件を解説します。実務未経験からの現実的なキャリアの選択肢、メーカーで高く評価される「製品セキュリティ」「工場セキュリティ」の実務経験、さらに求人票で確認すべき重要なチェック項目も紹介します。

セキュリティエンジニアの年収は、職種名だけでは判断できません。監視や定型運用を担う人と、セキュリティ設計や事故対応を主導する人では、企業から求められる役割が異なるためです。

求人を比べるときは、提示された金額より先に、何を守り、問題の発見から改善までどこまで任されるのかを確認する必要があります。

この記事では、年収相場の読み方と年収1000万円を狙う条件、メーカーで生かせる経験を解説します。

この記事でわかること

年収相場の正しい読み解き方と「年収1000万円」を狙う条件

ーカーで生かせる「3つのセキュリティ経験」

後悔しないためのキャリア選択「残留・異動・転職」の判断基準

セキュリティエンジニアの年収相場

セキュリティエンジニアの年収には幅があります。監視・脆弱性診断・監査・設計・事故対応など、異なる仕事が同じ職種名で募集されているからです。
平均値を一つ見るより、仕事内容と責任の範囲をそろえて比べるほうが実態をつかめます。

公的データは職業分類を確認して読む

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、脆弱性診断や情報セキュリティ監査など、セキュリティ分野の職業情報が掲載されています。ただし、表示される賃金統計は、その職業だけを集計した数字とは限りません。

例えば、情報セキュリティ監査は「他に分類されない法務・経営・文化芸術等の専門的職業」、脆弱性診断は「その他の情報処理・通信技術者」に分類されています。数字を見る前に、自分が調べたい仕事と統計の対象が合っているかを確かめる必要があります。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「セキュリティエキスパート(脆弱性診断)」

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「セキュリティエキスパート(情報セキュリティ監査)」

スキルレベル別の年収データを参考にする

job tagの情報セキュリティ監査のページには、厚生労働省が2023年度に実施した委託調査に基づくスキルレベル別給与データがあります。「企画立案・プロジェクト管理」の年収は、ITSSレベル3が600万~900万円、レベル4が650万~950万円、レベル5以上が700万~1,100万円です。

ITSSとは、IT人材の能力を段階別に整理した指標です。この数字は平均年収ではなく、回答値の中央50%にあたる範囲を示しています。
また、セキュリティエンジニア全員の給与を表すものでもありません。それでも、高度な専門性に加えて企画や管理まで担う層では、年収1000万円が範囲に入ることを確認できます。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「セキュリティエキスパート(情報セキュリティ監査)」

求人票では年収と仕事内容をセットで見る

同じ年収でも、定型運用が中心の求人と、全社の対策を企画する求人では、その後に積める経験が違います。次の項目をそろえて比較すると、金額だけで選ぶ失敗を避けやすくなります。

確認項目

見るべき内容

雇用形態

正社員・契約社員・業務委託のどれか

担当業務

監視・診断・設計・改善提案のどこまで含むか

守る対象

社内システム・クラウド・製品・工場のどれか

責任範囲

担当者か、企画やプロジェクトを主導する立場か

緊急対応

夜間待機・休日対応・事故発生時の呼び出しがあるか

評価制度

技術力・改善実績・管理責任の何が昇給につながるか

年収レンジの上限だけでなく、入社時にどの金額が提示されるのか、その後に何を担えば昇給するのかまで確認することが大切です。

セキュリティエンジニアの仕事による年収差

セキュリティエンジニアの年収を左右する要素の一つが、問題を見つけた後にどこまで対応するかです。決められた手順で報告するより、原因を調べ、関係部署と改修方法を決め、再発防止まで進める方が責任は重くなります。

担当する仕事

具体的な業務

次に広げたい経験

監視・一次対応

アラート確認・記録・担当者への連絡

原因調査・検知ルールの見直し

脆弱性診断

システムの弱点を調べ、危険度を判断する

改修方法の提案・対応期限の調整

セキュリティ設計

開発や導入の前に安全要件を決める

複数部門をまたぐ設計の主導

事故対応

被害範囲と原因を調べ、復旧を進める

再発防止策・経営層への報告

規程・教育

社内ルールや研修を作る

運用状況の確認・ルールの改善

監視・運用では改善実績を作る

監視・運用は、セキュリティ職の基礎を学べる仕事です。ただし、アラートを確認して報告するだけでは、担当できる業務が増えにくくなります。
例えば、誤検知の多いルールを見直した、同じ事故を防ぐために端末設定を変更した、手順書を更新して対応時間を短くしたという経験は、改善実績として説明できます。

転職前にこうした仕事へ関われるなら、現職で経験を作るとよいでしょう。

診断結果を改善まで進める

脆弱性診断では、弱点を見つける技術だけでなく、その後の判断も重要です。すべての問題を同時に直すのは難しいため、被害の大きさや悪用の可能性を踏まえて優先順位を決めます。

開発部門と改修期限を決め、対応後に再検査するところまで担えば、「診断ツールを使った経験」ではなく「事故の可能性を下げた経験」として伝えられます。

設計と部門調整を担う

設計段階から関わる仕事では、クラウド・ネットワーク・認証などの知識に加え、業務部門との調整力が求められます。業務部門と調整せず安全性だけを優先すると、現場で使えない仕組みになる可能性があります。

多要素認証を導入する場合も、製品を選ぶだけでは終わりません。対象者・例外時の手続き・端末を紛失した際の対応まで決めて初めて、仕組みとして定着します。

セキュリティエンジニアが年収1000万円を狙う条件

年収1000万円は、すべてのセキュリティ職で一般的な水準ではありません。一方、高度な専門性を持ち、企画・管理・事業上の判断まで担う人には届く可能性があります。

高度な専門性を持つ

脆弱性診断・クラウドセキュリティ・事故原因の調査・製品セキュリティなど、企業が簡単に代替できない専門性は、転職においては重要な要素となります。資格名や使用ツールの数だけでなく、どの問題を解決したかが問われます。
職務経歴書では、「診断を担当」だけで終わらせず、対象・自分の役割・判断・改善結果まで書く必要があります。機密情報を出せない場合でも、担当したシステムの規模や関係部署、改善の進め方は説明できます。

企画や管理を主導する

専門担当者から責任者に近づくと、技術以外の仕事が増えます。予算・人員・外部委託先を管理し、経営層へリスクを説明する役割です。
技術的に最も強い対策が、事業にとって最善とは限りません。費用や停止時間を考え、どの対策をいつ実施するか決め、企業全体への影響力が高まります。

メーカーの事業を理解する

メーカーでは、情報漏えいだけでなく、製品の出荷停止や工場の生産停止も防ぐ必要があります。開発日程・品質保証・設備の更新時期まで理解したうえで対策を進められる人は、IT部門だけで完結する担当者より広い役割を担えます。
海外拠点を含む対策では英語が必要になる場合もあります。ただし、英語だけで高年収になるわけではありません。専門性や管理経験と組み合わさったときに、担当できる仕事が広がります。

外資系や独立は収入以外の条件も比べる

外資系企業や業務委託では、会社員より高い報酬が提示される場合があります。その一方で、成果責任・契約更新・仕事を確保する負担も増えます。
年収だけで判断せず、賞与・退職金・福利厚生・待機時間・学習費用を含めて比べる必要があります。会社員として責任範囲を広げる道と、外資系や独立を目指す道は、分けて考えるのが適切です。

未経験からセキュリティエンジニアを目指す方法

完全未経験から高年収の専門職へ直接移るのは簡単ではありません。ただし、インフラ・社内SE・開発・品質保証・生産技術の経験があれば、近い分野から実務経験を作れます。

現職での実務経験

親和性の高いセキュリティ領域

現職のうちに積んでおくべき実務実績

ITインフラ

社内セキュリティ、クラウドセキュリティ管理

認証設定(多要素認証など)、アカウント・端末管理、アクセスログの監視

社内SE

情報セキュリティ運用、ガバナンス統括

セキュリティ規程の策定・改定、社員教育(研修実施)、IT統制・監査対応

システム開発

製品セキュリティ(セキュア開発)

安全な設計要件の定義、ソースコードの脆弱性確認、脆弱性検知への対応

品質保証

製品セキュリティ、プロセス監査

インシデント発生時の原因調査・再発防止策立案、安全な開発ルールの整備

生産技術・設備保全

工場セキュリティ(OTセキュリティ)

工場設備のネットワーク接続管理、外部メンテナンス業者の作業手順整備

資格は知識を整理するために使う

情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティに関する知識を体系的に学ぶ手段の一つです。合格は学習の証明になりますが、資格だけで実務経験を置き換えることはできません。
資格の勉強と並行して、現職で端末管理・権限の見直し・社内教育・開発時の確認作業などに関われると、知識を仕事に使った経験を作れます。

出典:IPA「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験」

40代はこれまでの経験を組み合わせる

40代の未経験者が若手向けの採用枠だけで競うと、年齢に対して求められる経験とのずれが生じやすくなります。管理職・品質保証・監査・工場運営など、これまでの経験をセキュリティ業務に生かせる求人を探すほうが現実的です。

例えば、品質保証で原因調査と再発防止を主導した経験は、製品の脆弱性対応でも役立ちます。生産技術で設備更新や外部業者との調整を担った経験は、工場の接続管理や作業ルールの整備に生かせます。

メーカーで評価されるセキュリティ経験

メーカーのセキュリティは、社内システム・製品・工場の三つに分けると理解しやすくなります。それぞれ守る対象と優先することが違うため、自分の経験がどこで役立つかを見極める必要があります。

社内セキュリティ

社内セキュリティでは、パソコン・クラウド・アカウント・社内ネットワークを守ります。社内SEやインフラ担当者は、既存システムや利用部門の事情を理解している点が強みです。
アカウントを発行するだけでなく、異動・退職時に権限が残らない手順を作った経験があれば、運用設計の実績として説明できます。

製品セキュリティ

製品セキュリティでは、企画・設計段階から弱点を作り込まない対策と、出荷後に問題が見つかった場合の対応を行います。開発・組み込みソフト・品質保証の経験を生かしやすい分野です。
IPAの製品開発者向けガイドでは、製品セキュリティを保つために、社内の複数部門や取引先と連携する必要性が示されています。開発部門だけで完結せず、問題の受付・影響確認・修正・顧客への案内まで進める体制が必要です。

出典:IPA「製品開発者向けガイド」

工場セキュリティ

工場セキュリティでは、安全性と同時に、生産を止めないことが重要です。古い設備をすぐに更新できない、保守会社が外部から接続する、生産中は設定を変更できないといった制約があります。
経済産業省の工場システム向けガイドラインは、工場の機器や制御システムが外部のネットワークにつながる機会が増え、新たなリスクも生じていると説明しています。生産技術・保全・工場ITの経験者は、設備の制約を踏まえて対策を考えられる点が強みです。

出典:経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」

求人票で確認するポイント

求人票では、職種名や年収上限より、入社後に担当する仕事を先に確認します。特に「セキュリティ運用」という言葉は範囲が広いため、面接で具体的な業務まで聞く必要があります。

求人票の表現

確認すること

セキュリティ運用

定型手順だけか、原因調査や改善も含むか

脆弱性管理

一覧の管理だけか、改修の優先順位と期限も決めるか

製品セキュリティ

開発部門との調整や出荷後の対応まで担うか

工場セキュリティ

設備・制御システム・外部接続のどこまで扱うか

CSIRT

事故対応チームとして、調査・復旧・再発防止のどこを担うか

CSIRTとは、セキュリティ事故への対応を担う組織や体制です。名称だけでは担当範囲がわからないため、平常時の準備と事故発生時の役割を分けて確認します。

働き方については、夜間待機の回数・緊急連絡の基準・休日対応後の代休・手当の有無も確認が必要です。高い年収に、こうした負担が含まれている場合があります。

自分の経験が社内・製品・工場のどのセキュリティ求人に合うかわからない場合は、求人へ応募する前に職歴を整理すると判断しやすくなります。メーカーへの転職を検討中の方は、ギブクリエーションの転職支援サービスで、現職に残る選択肢も含めて相談できます。

現職残留・社内異動・転職の判断基準

年収を上げたいと考えても、すぐに転職することが正解とは限りません。次の半年から1年で、職務経歴書に書けるセキュリティ経験を増やせるかが判断の分かれ目です。

現職に残るほうがよいケース

現職で認証設定・社内規程・社員教育・監査・脆弱性対応などを担当できるなら、先に実績を作る方法があります。担当業務を増やせる時期と条件を上司に確認し、実際に任される見込みがあるかで判断します。
口約束だけで時期が決まらない場合は、転職活動と並行して求人を比較する選択もあります。

社内異動が合うケース

メーカー内に情報システム・品質保証・製品開発・工場ITなどの部門があれば、社内異動でセキュリティに近づける可能性があります。会社の製品や設備を知っていることは、異動先でも生かせます。
すぐに年収が上がらなくても、規程作成・製品の脆弱性対応・工場の接続管理などを担当できるなら、将来応募できる求人は増えます。

転職を検討するケース

定型運用だけに固定され、改善や設計へ移る機会がない場合は、転職を検討する理由です。昇給条件が曖昧な職場や、セキュリティを担当する部署がない職場も同様です。
転職先では、現在できる仕事だけでなく、入社後にどの仕事まで任されるかを確認します。年収の上限が高くても、実際の業務が今と変わらなければ、次の転職で使える経験は増えません。

まとめ

セキュリティエンジニアの年収は、平均値だけでは判断できません。監視・診断・監査・設計では仕事が異なり、同じ職種名でも責任の範囲に差があります。求人票では、何を守るのか、問題の発見から改善までどこを担うのかを確認する必要があります。

年収1000万円を狙うには、高度な専門性だけでなく、企画・管理・部門調整まで担当できることが重要です。メーカーでは、社内システムに加えて製品や工場を守る経験も選択肢です。

ただし、転職だけが経験を広げる方法ではありません。現職で実績を作れる場合や社内異動が可能な場合は、その機会も求人と比べることが大切です。
メーカー転職のプロに相談してみませんか?ギブクリエーションは、大手メーカー1,000社以上との取引実績を持つ転職エージェントです。業界を熟知したコンサルタントが、現職残留も含めてキャリアを共に考えます。

無料で転職支援サービスに申し込む

よくある質問

セキュリティエンジニアで年収2000万円は目指せますか?

一般的な会社員求人では、年収2000万円の選択肢は限られます。経営に近い責任者・外資系企業の上位職・高度なコンサルティング・独立後の大型案件などが候補ですが、成果責任や契約上のリスクも大きくなります。まずは「セキュリティエンジニアが年収1000万円を狙う条件」で、担当できる仕事との差を確認する必要があります。

セキュリティエンジニアの年収は低いですか?

職種名だけでは高いとも低いとも判断できません。定型的な監視が中心なのか、診断・設計・事故対応を主導するのかで年収は変わります。「セキュリティエンジニアの年収相場」で、統計の分類と仕事内容を合わせて見る方法を解説しています。

女性でもセキュリティエンジニアとして年収を上げられますか?

評価の中心は性別ではなく、専門性・担当範囲・改善実績・管理責任です。働き方を重視する場合は、夜間待機・休日対応・在宅勤務・育児支援制度も求人ごとに確認する必要があります。

セキュリティエンジニアの仕事は将来なくなりますか?

定型的な監視や報告は、自動化される範囲が広がる可能性があります。一方、事故の影響を判断し、開発・工場・経営層と対策を決める仕事は、人の判断と調整が欠かせません。将来の選択肢を増やすには、ツールの操作だけでなく、原因調査・設計・改善まで経験を広げる必要があります。

簡単1分

お問い合わせはこちら!

必須
必須
必須
必須

お問い合わせボタンを押すことで、利用規約およびプライバシーポリシーの内容に同意したものとみなします。